実家を相続する前に知っておきたい|不動産の評価と兄弟で揉めない分け方

不動産の評価と兄弟間の相続トラブルを避けるために知っておきたいポイントを解説したアイキャッチ画像

「実家を相続することになったけど、兄弟でどう分けるのがいいんだろう?」

そんなご相談が、最近沼津市でも増えてきています。実は、全国的にも不動産の相続をきっかけにトラブルになるケースは多いんです。

2022年に行われたある調査では、「不動産の相続が原因で揉めたことがある」という方が全体の40.8%*もいたそうです。

相続というと「まだ先の話かな」と思いがちですが、いざというときにバタバタしないためにも、不動産の評価や分け方のパターンを知っておくことはとても大切です。

今回は、実際に沼津市であったケースも交えながら、兄弟で揉めずに実家を相続するための方法を、わかりやすくご紹介していきますね。

*出典:一般社団法人 相続解決支援機構「相続トラブルに関する調査(2022年)

目次

なぜ不動産相続は難しいのか?3つの理由

遺影や現金、住宅などの相続財産に囲まれて悩んでいる男性のイラスト

不動産の相続が難しいと言われる理由は主に3つあります。

分けられない財産だから

現金や預金なら1円単位で分けられますが、土地や建物は物理的に分割できません。沼津駅近くの一戸建てを「半分ずつ」というわけにはいきませんよね。

評価額の判断が難しい

不動産の価値は、立地、築年数、周辺環境など様々な要因で決まります。この不動産相続時の評価は、専門家によっても見解が分かれることがあり、兄弟間でのトラブルを防ぐためにも客観的な基準が重要です。

思い入れの違い

実家には家族の思い出が詰まっています。「売りたくない」「残したい」という感情と、現実的な相続手続きとのバランスが難しいのです。

兄弟で実家を相続する4つの方法

家とお金を天秤にかけてバランスを取っているイラスト。遺産分割のイメージ

では、実際にどんな方法があるのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを、わかりやすくご紹介しますね。

現物分割(共有持分)

実家を兄弟で共有名義にする方法です。例えば、2人兄弟なら持分を2分の1ずつにします。

【メリット】

  • 実家を残せる
  • 手続きが比較的簡単

【デメリット】

  • 将来売るときに、兄弟全員の同意が必要になる
  • 管理やお金の負担をどうするか、責任があいまいになりやすい

この方法は一見フェアに見えますが、あとからトラブルになることもあります。

たとえば、固定資産税は誰が払うのか、屋根の修理費はどうするのか、という話になったときに意見が合わないと困ります。さらに、将来「もう売りたい」と思っても、全員の同意がないと売却できません

もし兄弟同士が近くに住んでいて、よく話し合える関係なら選択肢として考えられますが、そうでない場合は慎重に検討したほうがよいでしょう。

代償分割

兄弟のうち一人が実家を相続し、その代わりに他の兄弟へ現金などで公平に分ける方法です。

たとえば「長男が実家を相続する代わりに、次男に○百万円を渡す」といった形で、財産のバランスをとります。

【メリット】

  • 実家の所有者がひとりに決まり、将来の管理がラクになる
  • 売却や活用の判断がしやすくなる

【デメリット】

  • 他の兄弟に支払う現金(代償金)を用意しなければならない
  • 不動産の評価額によって金額が変わるため、揉めやすくなることも

「実家に住みたい」「実家を守りたい」と考える人がいる場合は、この方法を選ぶと実家を残しやすくなります。ただし、まとまったお金を用意する必要があるため、住宅ローンを組んだり、保険を使ったりといった工夫が必要になるケースもあります。

不動産の評価額はトラブルのもとになりやすいため、複数の不動産会社に査定を依頼し、客観的な金額を参考にするのが安心です。

換価分割

実家を売って、その売却代金を兄弟で分ける方法です。家を「もの」としてではなく「お金」にかえて、それを分け合うイメージです。

【メリット】

  • 不動産をお金にかえることで、平等に分けやすい
  • 現金化されるため、その後の手続きもラクになる

【デメリット】

  • 実家を手放すことになるため、思い入れのある人にはつらい
  • 売却までに時間がかかる場合がある

誰も住む予定がなく、みんなが実家から離れて暮らしているなら、この方法がいちばんスッキリしてわかりやすいかもしれません。ただし、実家に思い出がある人にとっては、売ること自体が寂しく感じることもあります。

家族みんなでよく話し合い、納得できる方法を見つけることが大切です。もし売却を選ぶ場合は、思い出の品を事前に整理する時間をつくっておくのもおすすめです。

分筆

土地が広いときに、その土地を分けて、兄弟それぞれが別々に相続する方法です。

【メリット】

  • 一人ひとりが自分の名義の土地を持てる
  • 将来の使い道を自由に決められる

【デメリット】

  • 測量や登記の手続きにお金と時間がかかる
  • 建物があると分けるのが難しくなることもある

もし広い土地を相続する場合は、土地自体を分割するというのも選択肢の一つです。ただし、測量のために数十万円ほどかかることもあるため、事前に金額だけでなく、だれがどれだけ負担するかも確認しておく必要があります。

また、土地の形や道路との位置関係によっては分けられない場合もあります。建物が建っている場合は基本的に使えない方法なので注意しましょう。

今回は相続不動産の分割の仕方についてお話ししましたが、空き家の売却や、相続不動産の活用法については、過去の記事でもご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧くださいね♪

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今すぐできる相続準備の第一歩

にっこり笑顔のキャラクターが手を挙げているイラスト。相続準備の案内イメージ

実家の相続は、誰もがいつかは直面する問題です。

まず大切なのは、不動産相続における評価額を正確に把握すること。準備さえしておけば、決して怖いものではありませんよ。

「たぶんこれくらい」という思い込みではなく、プロの査定による客観的な評価額を知ることで、兄弟間での冷静な話し合いができるようになります。 

私たち縁優は沼津市の不動産市場を熟知したプロとして、お客様一人ひとりの事情に寄り添った査定を心がけています。「まだ相続は先の話だけど…」という方も、お気軽にご相談くださいね!

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